延命治療としての胃ろうの問題点
胃ろうを造設し、延命治療をおこなうかどうかの決定権は、多くの場合、家族などの代理人に委ねられます。
患者本人が寝たきりであったり、認知症で意思の疎通が難しいケースが多いからです。
患者の生死を決めなければならない家族は、精神的負担が大きく、決定は胃ろうに偏ってしまう、と言われています。
意思を伝えることは難しいけれど、病気の痛みや苦しさは、患者本人は感じていると思います。
私の祖父は亡くなる前は、寝たきりで、ほとんど話せませんでした。
でも私が話しかけて手を握ると、強く握り返してくれました。
私の声は祖父にちゃんと届いている、そう思いました。
延命治療を望むかどうかは、個人の自由です。
健康なうちに、本人から家族に伝えておくことが、両者にとってベストかもしれません。
例えば、オーストラリア、スウェーデン、フランス、オランダなどの国は、
終末期を迎える患者に対して、日本とは違った対応をしています。