正直、私がもやしに求めているのは、 あのシャキシャキとした食感と 安いながらもおかずのカサを増せるあの量なんです。
栄養価への期待は全くなし!でした。
だって、 見た目からしても栽培の方法を聞いても 栄養があるようには思えないんですよ!
「もやしにあるのは水分だけ!」皆さんもそう思っていませんか?
でも実際のところどうなんでしょう。
今回はそんな寂しいイメージが定着したもやしの意外な素顔に迫ります。
「世界一栄養がない」という理由で ギネス入りした野菜があります。
もやしだと思うでしょう?
それが意外にももやしじゃないんですよ。
何だと思いますか?
正解はきゅうり。 あんなに健康的な色をしているのに・・・。
あの不朽の名作トトロの中でも、 おいしそうにきゅうりを頬張るメイちゃんに 隣のおばあちゃんが言ってました。
「お天道様、いっぱい浴びてっから、体にもいいんだ。」
お天道様いっぱいですよ! おばあちゃんの作った畑のものは 何でも体によさそうだったのに!
もやしはその栽培の過程で日光を浴びてすらいません。 あの色の白さは、その証!
ギネスにこそ認定されていませんが、 お天道様の恩恵を受けていないもやしに 果たして栄養は望めるんでしょうか。
歴史を紐解いてみると、 実は日本人ともやしの関係も長いんです。
もやしが文献上に登場するのは、平安時代。 日本最古の薬草本『本草和名』です。
この文献の中では「毛也之」と書かれ、 薬用として栽培していたようです。
薬用ですか!?
しかも江戸時代の『和漢三才図会』という文献でも もやしが薬用だったことがわかります。
これまた薬用なの!?
もやしが庶民の味になったのは明治末期なんですね。
薬用として栽培された生い立ちを持つもやしには あのヒョロっと色白な見た目からは想像もつかない なんとも意外な素顔があったんです。
ここでちょっと考えてみましょう。
もやしって何だと思います?
そうです。 豆類を発芽させたものですよね。
この「発芽」という生命活動に もやしの秘密が隠されているんです。
もやしは「発芽野菜」といって、 成熟した野菜とも種の状態とも異なった機能を持っています。
植物にとって発芽と言うのは とても重要な意味を持っているんです。
種から細胞や組織を自ら作り出して、芽を出していく。 よく考えると不思議なものですね。
発芽には膨大なエネルギーを必要となります。
なんか出産を髣髴とさせるような・・・。 あのエネルギーといい、神秘性といい。
言うなれば発芽というのは 野菜の生命力が一番旺盛な時期なんです。
元々種の中には様々な栄養素が蓄えられているんですが、 それを発芽という生命活動によって栄養素自体の量を増加させたり、 それだけでなくまた新しい栄養素を合成しちゃったりもするんです。
この時もやしの中では とても大きなエネルギーが放出されています。
私たちはこの発芽エネルギーを食べているんですね。
もやしは水分が95%。 確かに水っ気たっぷりです。 でもそれだけじゃないですよ!
ここではもやしの中に含まれている 主な栄養素を見てみましょう。
■ビタミンB群
まず脂質・たんぱく質・糖質を エネルギーに替えてくれるビタミンB1とB2。
B1は皮膚や粘膜の健康を維持してくれます。
B2は脂肪の代謝を促進してくれるので、 肥満防止になります。
■カリウム
摂り過ぎた塩分を排出して、 利尿作用を促すカリウムもあります。
むくみがとれそうですね。
それだけではなくカリウムは 心臓機能や筋肉機能を調整して血圧を下げます。
■カルシウム
骨や歯を強くしてくるカルシウム。 野菜にもカルシウムって含まれてるんですね!
■葉酸
葉酸と言えば、 妊婦さんや授乳中のママさんが 積極的に摂取したい栄養素ですね。
葉酸は胎児の脳や脊髄の正常な成長を促して 神経管閉鎖障害のリスクを減らせるんです。
昨今では成人にも必要だと言われています。
造血作用や細胞の再生をする働きをするので、 美肌効果や美髪効果があるんですね。
美髪・・・最近増えた私の白髪も 葉酸で改善されるかしら・・・。
また葉酸を摂取することで、 動脈硬化の危険性や悪性貧血、 神経障害のリスクも減るんです。
■食物繊維
食物繊維には水溶性と不水溶性があるんですが、 もやしの特徴はこれが両方とも入ってるんです。
食物繊維も色々なんですね! 役割もちょっと違うんです。
水溶性には腸の粘膜を守りつつ善玉菌を増やす、 整腸作用があるんです。
また糖質の消化や吸収を緩やかにしてくれるので 血糖値の急上昇を防いでくれるだけでなく、 コレステロールの吸収も抑制してくれます。
不水溶性は腸内の煽動運動を活発にし、スッキリお通じ!
更には体に有害な物質を排出してくるので、 デトックス効果もあります。
ちなみにあのもやしのヒゲの部分に 食物繊維が含まれているようなので、 なるべく一緒の食べることをオススメしたいですね。
ちょっとビックリしたんですが、 もやしってビタミンC、アスパラギン酸、GABAまで入ってるんです。
しかもこの3つの栄養素は、 豆時には殆どなかったのに発芽の段階で急に増加するんですよ!
発芽の不思議!
■もやしの不思議栄養素その①GABA
GABAはアミノ酸の一種で、 脳機能を改善させる作用があると言われ注目を浴びています。
高血圧予防や精神の安定に効果があるそうなので、 ちょっと血圧の気になる方やストレスを抱えている方にオススメです。
■もやしの不思議栄養素その②アスパラギン酸
アスパラギン酸はこれもまたアミノ酸の一種で アスパラガスから発見された為この名がつきました。
このアスパラギン酸は、 疲労の原因である乳酸を分解してくれます。
それだけでなくエネルギーを作り出し、 スタミナを持続する働きもあります。
これで疲労も回復し、新陳代謝も活発にしてくれるんですね。
また血液中に残ると毒素になってしまうアンモニアも アスパラギン酸は尿に合成して排出してくれんです。 これで利尿作用やデトックス効果もバッチリ。
ちょっと立ち仕事をしただけで 足がむくんでしまう私にはありがたい栄養素です。
■もやしの不思議栄養素その③ビタミンC
そして忘れてはならないのが、ビタミンC。 美容に効果があることでよく知られていますね。
でもね、実はそれだけじゃないんです。
ビタミンCはコラーゲンの合成に深く関わっています。 よってビタミンCが欠乏するとコラーゲンが生成できず、 壊血病になってしまうんです。
コラーゲンが不足すると血管がボロボロになるんですよ。
大航海時代には、 この壊血病で約200万人が死亡したとされています。
当時原因不明だったこの病気は、 海賊より恐れられていたそうです。
18C半ばに漸く柑橘類を摂るといいと気づきました。
ビタミンCの不足した食事をしがちな方! 要注意ですよ!
あれ、こうやって見てみると、 もやしって結構健康食材な気がしませんか?
かつて薬用として栽培されていた理由がわかりました。
現代人が落ち入れがちな、 生活習慣病にも効きそうですよね。
今まで見た目だけで「栄養がない」って思い込んでいてごめんね。
しかももやしって栽培の際に、 化学肥料や農薬を使用していないし 常に清潔な衛生環境を心掛けているので 安心な食材でもあるんです。
カロリーももやしの種類にはよりますが、 100g辺り標準タイプで12~37kcalと低く ヨーロッパではダイエット食品としての認識が高いですね。
「水分だけ」って思っていて、本当にごめん。 人だけじゃなくて、もやしも見た目で判断しちゃダメだね !
もやしは、私の懐にも体にも優しい食材でした!
水分しかないと思われがちなもやし。 しかしかつては薬用として栽培されていた歴史を持ち、 その実以外にもバランスよく栄養が詰まっている健康食材でした。
主な栄養素は以下の通りです。
もやしはあしが早い=栄養価の減少も早いので、 なるべく新鮮なものを1回で食べ切る勢いでいきましょう!
ちなみにあまり火を通しすぎると栄養素も破壊されてしまうので、 なるべく必要最小限の加熱を心掛けたいところです。
そして注意したいのは、 もやしだけ食べていればいいわけでもないんです。
やはりこれだけだと栄養的に不足してしまうので かさを増しつつ、色んな食材と一緒にバランスよく食べて下さいね。
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